「退職したのに、翌年になっても住民税の支払いが続くなんて…」
収入が途絶えた直後にまとまった税金を払うことになり、負担の大きさに驚く人は少なくありません。
私自身も会社を辞めた翌年、扶養に入れないまま住民税の請求が届き、家計へのインパクトに大きなショックを受けました。
住民税は「前年の収入」で課税される仕組みのため、退職後に収入ゼロになっても翌年の負担は避けられません。さらに、前年収入によっては扶養に入れないケースもあり、「収入がないのに支払いだけ続く」という状況が起こるのです。
この記事では、退職後に住民税の負担が続く理由と、扶養に入れないケースの背景をわかりやすく解説します。
加えて、退職時期によって変わる住民税の支払い方法や、実際に私が経験した負担感についても紹介。最後に、想定外の支出に備えるための準備方法もまとめました。
扶養や税金の基準は、所得税・住民税・社会保険と種類によって異なり、とても複雑です。
すべてまとめて考えると混乱してしまうため、この記事では「退職後の住民税」に絞って解説します。
退職後の家計に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
退職しても翌年に住民税がかかるのはなぜ?
住民税は「退職した年の状況」ではなく、前年(1月〜12月)の収入 をもとに課税されます。
そのため、退職して収入がゼロになっても、前年に給与収入やパート収入があれば翌年に住民税を支払う必要があります。
たとえば、2024年7月に退職した場合でも、2024年1〜7月に得た収入が課税対象になります。
すると、翌年2025年の6月から2026年5月までの1年間、住民税の支払いが続くのです。
所得税と混同しやすい「103万円の壁」
よく「103万円以内なら税金はかからない」と言われますが、これは 所得税(国税)の基準 で、全国共通のルールです。
一方、住民税は 地方税 のため、非課税ラインや扶養の判定基準が自治体ごとに異なります。
一般的には「合計所得45万円以下(給与収入で約100万円以下)」を目安とするケースが多いですが、東京都のように「障害者・ひとり親など条件つきで135万円以下(給与収入約204万円未満)」とされる場合もあります。
このように住民税は「自治体によって異なる」ため、必ずお住まいの自治体の公式HPで確認することが大切です。
検索する際は「◯◯市 住民税 非課税」と入力すると、公式ページが見つかりやすいです。
私の場合、会社を退職したのは7月。
それまで給与から天引きされていた住民税は、退職と同時に「普通徴収」に切り替わり、すぐに納付書が届きました。
つまり「収入がゼロになった直後から、住民税の支払いがスタートした」のです。
いきなり毎月の負担が増える形になり、家計にも精神的にもかなり重く感じました。
この経験から、退職前に「住民税の支払い方法がどう変わるのか」を確認しておくことの大切さを痛感しました。
収入ゼロでも住民税の扶養に入れないことがある
「退職したから収入ゼロ=すぐ扶養に入れる」と思ってしまいがちですが、実際にはそうならないケースがあります。
理由は、住民税の課税判定が 前年の収入ベース で行われるからです。
前年に一定以上の収入があれば、翌年はたとえ無収入でも「住民税が課税される人」として扱われ、結果的に扶養に入れないケースがあります。
所得税(103万円)との混同に注意
よく混同されるのが「103万円の壁」。
これは所得税の基準で、扶養控除や課税の有無を判断する全国共通ルールです。
一方で、住民税の基準は自治体によって異なり、一般的に「給与収入で100万円前後」が目安。
ただし、東京都のように「障害者やひとり親などの条件があれば135万円以下でも非課税」とされる場合もあります。
このため「103万円以内なのに住民税がかかった」という混乱が生じやすいのです。
自治体ごとに確認が必要
扶養に入れるかどうかは、住民税の非課税判定と深く関わっています。
基準額は自治体や世帯構成によって変わるため、必ずお住まいの自治体の公式HPで確認するのが確実です。
つまり、退職して無収入になったからといって自動的に扶養に入れるわけではありません。
前年の収入次第では「収入ゼロでも住民税を払う → 扶養にも入れない」という状況が起こり得るのです。
検索例:
「◯◯市 住民税 非課税」
「◯◯市 扶養 住民税」
私も前年に103万円を超える収入があったため、退職して1年が経過した現在も扶養に入ることはできません。
7月に退職したので、その後1年5ヵ月間は無収入でも住民税を支払い続ける必要があり、家計への負担はかなり大きく感じています…。
退職後にかかる住民税の支払い方法【一括 or 分割】
会社員のときは、毎月の給与から自動で天引きされていた住民税(=特別徴収)。
しかし退職すると、この仕組みがなくなり、自分で納付書を使って払う「普通徴収」 に切り替わります。
【支払い方法の基本】
原則:年4回払い(6月・8月・10月・翌年1月)
自治体によっては月払い(年12回分割)に変更できる場合もある
👉 納付書が届いたら、まずは支払い回数が選べるかを確認するのがおすすめ
退職月によって変わる「一括徴収」
退職のタイミングによっては、会社が「残りの住民税を一括で天引き」するケースもあります。
- 1月〜4月に退職 → 残り分を退職時に一括天引きされることが多い
- 5月以降に退職 → 納付書が届き、自分で普通徴収に切り替え
私の場合は7月に退職したため、退職後すぐに住民税の納付書が届きました。
1回あたり 49,000円 を支払う必要があり、収入が途絶えた中でこの金額を2~3か月ごとに払うのは正直かなりの負担でした。
金額は前年の収入や自治体によって変わるため一概には言えませんが、場合によっては退職直後から住民税の納付が始まる ことは事前に知っておくべきポイントだと思います。
退職後の住民税負担を軽くするためにできること
退職後の大きな負担のひとつが住民税。
無収入の中で支払いが続くのはつらいですが、いくつかの工夫で負担を軽くすることができます。
1. 支払い回数を増やす(分割払い)
住民税は原則「年4回払い」ですが、自治体によっては 月ごと(年12回払い)に分割できる制度 があります。
納付書が届いたら、役所に相談して分割を希望できるか確認しましょう。
👉 「1回あたりの金額が大きすぎて払えない」という不安を減らせます。
2. 減免申請を検討する
退職や病気などで収入が大幅に減った場合、自治体によっては 住民税の減免制度 を利用できることがあります。
条件は自治体ごとに異なるため、役所の税務課や市民税課に相談するのがおすすめです。
3. 家計の固定費を見直す
支出を抑えて余力を作るのも有効です。
- 格安SIMに切り替えてスマホ代を下げる
- 不要なサブスクを解約する
- 保険の内容を見直す
これだけで年間数万円単位の負担減につながることがあります。
住民税そのものをゼロにするのは難しいですが、「分割」「減免」「固定費見直し」で家計へのインパクトをやわらげることは可能です。
扶養に入れるかどうかを確認する方法
扶養に入れる条件は、税金面の扶養(住民税・所得税) と 社会保険上の扶養 で基準が異なり、とても複雑です。
「ネットで見た基準で大丈夫だろう」と自己判断してしまうと、本当は扶養に入れるのに手続きをしなかった なんてこともあり得ます。
一番安心なのは役所に確認すること
- 税務課や市民税課の窓口で相談すれば、前年収入や世帯状況に基づいて具体的に説明してもらえます。
- 社会保険上の扶養については、勤務先や健康保険組合に直接確認するのが確実です。
- 電話相談も可能な自治体が多いため、まずは問い合わせてみるのがおすすめです。
私も退職後、扶養に入れるのかどうか不安で役所に相談に行きました。
HPを見ても条件が複雑でわかりにくかったのですが、窓口では私の前年収入や世帯状況を踏まえて具体的に説明してもらえました。
扶養に入れるかどうかは「自分で調べる」よりも、役所や保険組合に聞くのが一番確実で安心 です。
まとめ
今回の記事では「住民税」にフォーカスして整理しました。
退職後は収入がゼロでも、前年の収入に基づいて住民税の支払いが続き、扶養に入れないケースがあります。
特に「103万円の壁」と混同しやすいですが、住民税や社会保険の基準は別であり、自治体によって条件も異なります。
自己判断は危険。必ず役所や保険組合に確認することが安心への近道です。
✅ この記事のポイント(おさらい)
- 扶養の基準は「税金(所得税・住民税)」と「社会保険」で異なる
- 無収入でも前年の収入が一定額を超えていれば扶養に入れないことがある
- 退職後は給与天引きから普通徴収に切り替わり、すぐに住民税の納付が始まる
- 住民税負担は「分割払いや減免制度」を活用して軽減できる
- 不安なときは自己判断せず、役所・保険組合に確認するのが一番安心
退職や扶養の問題は複雑ですが、数字と制度を正しく理解すれば不安は減ります。
「思い込みで判断せず、確認する」という一歩が、家計の安心につながります。